世界的な指揮者、小澤征爾さんが亡くなられました。テレビで昔指導を受けたことのある人が、その時の印象を、練習以外の時はとても気さくな優しい方だったと語っていました。
その話を聞いていて、思い出した事があります。
学生時代私は、管弦楽部のサークルに入っていました。楽器は、授業で選択していたヴィオラです。3年生の時だったでしょうか?その時の定演で指揮していただいたのが、芥川也寸志さんでした。あんな有名な方が、一地方の学生オーケストラの客員に来ていただけるのか半信半疑だったのですが、願いがかないました。
芥川さんを迎えて練習が始まる前の、ピーンと張りつめた怖いぐらいの緊張感、どきどきしました。昔のことでよく覚えていませんが、芥川さん作曲の『弦楽のための~』という曲目だったと思います。指導は、大きな声を出される事はなく、いつも冷静で穏やかな口ぶりでした。
休憩になり、お茶を出す担当だった私は、毎回適温のお茶を出すタイミングには気を使い、お菓子は何にしようかと考えていました。
後で部長から聞いたのですが、芥川さんが「お茶がおいしい。お茶の産地はどこですか?」とおっしゃっていたとか。うれしかったですね。
ずいぶん昔の思い出です。ちなみに、お茶は八女の玉露でした。
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